ULSグループ、発注側支援でDX需要を取り込む AI駆動開発を新たな成長軸に

ULSグループは、DXコンサルティングを中核とするITサービス企業で、企業のデジタル投資における上流工程を支援する「発注側支援」を強みとする。経営層や情報システム部門と一体となり、数十億円から三桁億円規模のプロジェクトにおいて、構想策定から要件定義、設計、ベンダーコントロールまでを担う。売上の大半はコンサルティングによるもので、中核子会社のULSコンサルティングが大手企業向け案件を牽引し、ピースミール・テクノロジーやアークウェイなど複数の専門会社が連携する体制を構築している。

顧客はパソナやマツダ、電通、前田建設、全日本空輸など大企業が中心で、既存顧客からのリピートが売上の約9割を占める。ITコンサルティングとエンジニアリングの双方に精通した人材による実行力が評価されており、戦略立案にとどまらず実装まで伴走できる点が競争優位となっている。

業績面ではDX投資の拡大を背景に成長が続く。2026年3月期第3四半期は売上高123億1200万円(前年同期比30.0%増)、営業利益25億6100万円(同15.7%増)と大幅な増収増益を確保した。既存顧客からの旺盛な需要に加え、新規案件の増加や人材採用の進展が寄与した。人材投資も積極化しており、2024年3月期には前期末比で100人超の純増となったが、IT人材市場の逼迫により採用コストは上昇傾向にある。

市場環境としては、日本企業のDX投資は引き続き拡大しており、基幹システム刷新やクラウド移行といった大型案件の増加が見込まれる。企業がベンダー依存から脱却し、自社主導でIT投資を進める流れの中で、同社の発注側支援の重要性は高まっている。公共分野でもDX需要が拡大しており、自治体案件を担うグループ企業の存在が事業基盤を下支えしている。

今後の成長戦略では、AI駆動開発への取り組みを加速する。自律型AIエンジニア「Devin」を開発したCognition AIとの連携を通じ、企業システム開発におけるAI活用を推進。すでに多数の企業から引き合いがあり、PoCや実運用に向けた検討も進んでいる。AI時代に求められる高度なシステム設計力を強みに、新たな開発スタンダードの確立を目指す。

資本政策では成長投資を優先しつつ、配当性向20〜30%を目安とした株主還元も継続。今後は人材投資に加えM&Aも視野に入れ、事業拡大を図る方針だ。

発注側支援という高付加価値領域でポジションを確立する同社は、DX需要の拡大とAI活用の進展を追い風に、中長期的な成長が期待される。

引用元記事:https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/fisco/business/fisco-0009350020260324070