KPMGコンサルティング、国内企業・公的機関のAI活用実態を調査 ガバナンス整備が業務効率化と相関

KPMGコンサルティングは、テクノロジー・メディア・通信(TMT)業界をはじめとする国内企業・公的機関におけるAI活用とガバナンスの実態をまとめたレポート「AIの利活用・ガバナンス等の動向調査」を公表した。国内企業・官公庁の経営者や従業員など2788人を対象に実施した調査を基に、16業種における生成AIの利用状況やガバナンスの整備状況、AIに対する意識などを分析している。

調査では、約半数の回答者が業務で生成AIを活用していることが分かった。通信業や情報サービス業、電機機器などの製造業では、勤務先が契約するサービス以外の生成AIも申請により利用できる企業が約3割に達し、安全性を確保しながら柔軟な活用を進める傾向が見られた。一方、官公庁・自治体や現場作業が中心の業種では、利用可能な生成AIサービスがないとの回答が過半数を占め、業界間で利用環境に差があることが明らかになった。

AIガバナンスについては、通信業、情報サービス業、電機機器製造業、金融・不動産業で約6割が全社的なAIガイドラインやルールを整備していると回答した。さらに、事業部や部署単位でルールを整備している組織では、生成AI導入による業務量削減を実感した割合が39.7%となり、ルールがない組織の22.5%を約17ポイント上回った。KPMGは、明確な利用ルールの整備が業務効率化につながる可能性を示しているとしている。

AIによる職業代替への懸念については、「自分の仕事がAIに奪われる」と感じる回答者は18%にとどまった。映像・音声制作業や電機機器製造業、小売業、法律関連の専門サービス業では比較的高い傾向が見られたものの、日本では人手不足を背景にAIを労働力不足を補う手段として受け止める意識が強いと分析している。

データ主権(ソブリン性)に関しては、AIに入力した情報がサービス提供企業に意図しない形で利用されることへリスクを感じる回答者が35.4%に達した。金融・不動産業(43.9%)や電気・ガス・運輸業(41.9%)では特に高く、今後はデータの保管場所や利用範囲を管理できるソブリンAIへの需要拡大が見込まれるとしている。

また、業務関連情報を私的な生成AIへ入力する「シャドーAI」を経験した回答者は約14%だったほか、生成AIを活用したプログラミング手法「バイブコーディング」では、処理内容を十分理解しないまま利用した経験がある回答者が約65%に上った。生成AIの利用拡大に伴い、情報漏えいや不適切利用などのセキュリティリスクへの対応が一層重要になっていることも浮き彫りとなった。

引用元記事:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000395.000088324.html