デロイト トーマツとコンデナスト・ジャパン、訪日海外富裕層向けマーケティング支援サービスを共同展開 — 文化・産業体験に高い関心、戦略策定から実行支援まで一気通貫で支援

デロイト トーマツ グループは、世界的なラグジュアリーメディアを展開するコンデナスト・ジャパン(「VOGUE JAPAN」「GQ JAPAN」などを発行)と協業し、訪日を検討する海外富裕層をターゲットとしたマーケティング支援サービスを開始した。対象は富裕層に対して事業展開や情報発信を行う民間企業および地方自治体で、戦略立案からブランディング、オペレーション支援に至るまで包括的なサポートを行う。
本サービスでは、調査分析、マーケティング戦略の設計、アクションプランの策定、メディアリレーション、クリエイティブ制作、イベント運営といった一連のプロセスを一気通貫で提供。両社の強みであるグローバルな視点と富裕層マーケティングの知見を融合させ、持続可能で高付加価値な事業創出を支援する。
富裕層の関心は「文化・産業の体験」に集中
サービス開始に先立ち、デロイト トーマツ グループは2024年11月から2025年1月にかけ、米・欧・アジアの9カ国・地域に住む海外富裕層約900名を対象とした意向調査を実施。日本における高付加価値な旅行体験のニーズや投資意向について明らかにした。
調査では、「地域の文化・産業を体感するローカルツーリズム」(40.8%)や「伝統建築や史跡での文化芸術鑑賞」(37.3%)など、文化的価値の高い体験が強い関心を集めた。特に「茶会」「花火」「職人によるものづくり」など、日本独自の風習や技術への関心が高い。
また、「国立公園での自然散策」「温泉・スパ」といったウェルネス体験も人気で、投資意向層に限ると「本格的な料理体験」「老舗和菓子店での創作体験」など、深く文化と接点を持てるプログラムへの関心が高まる傾向がみられた。
文化への投資意向、訪日経験とともに上昇
日本文化に関するインスピレーション源としては「自然との調和」(41.0%)、「歴史的背景」(38.9%)、「細部へのこだわり」(38.3%)、「唯一無二性」(37.6%)などが挙がり、日本ならではの“ストーリー性”が富裕層の共感を得ていることが浮き彫りになった。
さらに、訪日回数が多いほど投資意向も高まる傾向が確認されており、2回以上訪日経験のある層では伝統文化への投資意向が56.5%、6回以上の層では72.4%に達した。こうした調査結果は、地域文化や職人技術を活用した事業・ブランドの展開が富裕層の長期的な関係構築に資することを示唆している。
「体験を日常に活かす」トランスフォーマティブ・トラベルに注目
調査では、旅の体験を自身の価値観やライフスタイルに還元する“トランスフォーマティブ・トラベル”への意向も確認された。投資意向層では36.4%が関心を示し、単なる観光ではなく「学び」「自己成長」に結びつく旅が求められていることが分かった。
さらに、地域との交流や、移動手段の利便性も重要視されており、「地域コミュニティとのつながり」「ヘリ・プライベートジェット・メガヨットなどの移動手段の提供」への関心は、投資意向層で全体より10ポイント以上高い結果となった。
本パートナーシップにより、デロイト トーマツ グループはプロフェッショナルファームとしての調査・戦略立案力を、コンデナスト・ジャパンはグローバル富裕層へのリーチとラグジュアリーブランド構築の知見をそれぞれ提供。地域の文化資源や日本ならではの体験価値をグローバル市場へ発信・展開するための伴走支援を行っていく。
引用元記事:https://news.yahoo.co.jp/articles/0fc720c424f3655e32203684936b37a55992d0f1