アクセンチュア、年次レポート「Technology Vision 2025」発表会を開催

―AIエージェント時代の到来と、それが企業にもたらす変革を解説―
2025年6月4日、アクセンチュアは東京都内で報道関係者向けに年次市場調査レポート「Technology Vision 2025」の発表説明会を開催。執行役員でチーフ・テクノロジー・アーキテクトの山根圭輔氏が登壇し、今後企業変革のカギを握る「AIエージェント」の最新動向と、活用にあたって不可欠な「信頼」の構築について語った。
目次
1. プログラミング業務の4分の1超が消滅
- ワシントン・ポストなどの報道を引用し、過去2年間でコンピュータプログラミングの25%以上の仕事が消えたという衝撃的な数字を紹介。
- フォーチュン誌によれば、プログラマの雇用水準はドットコム・バブル期の半分に落ち込んでいる。
2. コンピュータの役割に「予測」が加わる
- これまでコンピュータは「記憶・計算」、人間は「予測・意思決定」を担ってきたが、AIエージェントの普及で**「予測」もAIに委ねられる時代**に。
- その精度を「任せられるかどうか」が次の大きな壁となり、ひいては“AIエージェントとの信頼構築”が最重要課題となる。
3. AIエージェント理解のための4大トレンド
- バイナリ・ビッグバン
- AI搭載システムが爆発的に増え、産業構造が一変するフェーズ。
- 未来の顔
- ユーザー接点で差を生むUI/UXデザインと、エージェントの独自性。
- LLMが身体を持つ時
- 大規模言語モデルの知能をロボットなど現実世界へ統合するインテグレーション。
- 新たな学習サイクル
- 人とAIが互いに学び合い、組織のイノベーションを生み出す好循環の構築。
4. マルチエージェント時代へ向けた「Trusted Agent Huddle」
- 単一のAIモデルに依存せず、AWS・Google・Microsoftなど複数ベンダーのAIエージェントを連携・切り替えるニーズに応え、商用版「Trusted Agent Huddle」を発表。
- これにより、企業ごとの最適モデルを“瞬時に組み合わせて”運用できる統合プラットフォームを提供する。
5. コーディング業務の“完全自律化”も視野に
- Googleではコードの25%以上をAIが生成、プログラマの92%が日常的にAIを活用といった実態を共有。
- MicrosoftのGitHub Copilot Coding AgentやCognition AIの自律型エージェント**「Devin」**など、ソフトウェア開発工程の自動化を先導する事例を紹介。
- これらの動きが「バイブ・コーディング」のような新たな開発パラダイムを押し進めると説明した。
山根氏は最後に「AIエージェントは“人と似た振る舞いをする別物”として、適切な距離感と信頼をもって共創すべき存在」と強調。「AIエージェント元年」とも言われる2025年を契機に、企業は技術採用だけでなく、組織文化とガバナンスの刷新を急務として取り組むべきだと締めくくった。
引用元記事:https://robotstart.info/2025/06/06/accenture-tech-vision2025.html