戸田建設、京橋オフィスを実証フィールドに ロボットとの共存で働き方進化を探る

戸田建設は、社内オフィスでの実証実験と、そこで得た知見をコンサルティング業務に生かす取り組みを進めている。ロボット導入を単なる省人化やコスト削減にとどめず、「ロボットフレンドリー」な環境づくりを目指す。

実験の舞台は、昨秋オープンした東京・京橋の高層オフィス。デジタル変革(DX)推進の一環として、飲み物の配膳や屋内外の警備、フロア清掃などにロボットを活用している。こうした用途自体は珍しくないが、同社が重視するのは人とロボットが共存・調和できる仕組みだ。

例えば音声対応では、「音を出すべきか出さないべきか」という場面ごとの最適解を探った。会議室に飲み物を運んだロボットが数分経っても気づかれない場合は、音を鳴らす代わりに室内照明を点滅させて知らせる仕組みを構築している。

社員が日常的にロボットと接する環境をつくり、意見を取り入れながらカスタマイズを重ねてきたことが、こうした成果につながった。黒瀬義機・新技術・事業化推進部長は「導入して終わりではなく、人とロボットの関係性を常に進化させていく」と話し、継続的な改善に意欲を示す。

中長期的には、オフィス出勤の動機づけや社員間コミュニケーションの活性化にもロボットを生かす構想だ。趣味やその日の出来事を社員とロボットが気軽に語り合う――そんな新たな活躍の場を視野に入れている。

引用元記事:https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00761030